民主進歩党主席で総統候補者の蔡英文は27日、新北市新北区ダウン症基金会を訪れた。その際メディアが、総統府が軍の志願制実施が再度実現しなかったことについて、現行の制度は「徴兵、志願併用制度」であり、実現しなかったのではなく、これは陳水扁政権の時に入隊期間を大幅に短くしたことによる結果だ、と話していることについて蔡英文主席の感想を求めた。蔡主席はこのことについて、馬政府の執政は既に7年以上経過しており、政策を考える時間や、政策を実行し、効果的な実現をはかるのに十分な時間があった。しかし、もし今になって責任をその前の政権に押し付けるというのなら、これは全く無責任なやり方である、と述べた。

蔡英文主席は、現在馬政府が主張している全募併制(志願制)は、馬英九が2008年に選挙のために出した公約であり、選挙の話題づくりのために利用し、政策実施のタイムスケジュールについても国軍の実際の戦力需要も考慮しないものであった。国軍が兵士制度をシフト転換する過程で多くの障害にぶちあたることについて、細かな考慮も、全体的な計画も欠けていた。そのことが、このように多くの問題が立ちはだかり、政策を実現できず公約違反になってしまった原因である。多くの若者がこのことで困っている。なぜなら兵役は彼らの人生の計画に影響を与えるからだ。いつまでも不確定な状態であれば、若者にとってはいい迷惑なことである、と述べた。

政府は過去7年間に国家に兵力不足をもたらした事態を真剣に考え、戦力不足の問題にしっかり対応してもらいたい。特に、現在の志願制では、事務職への志願が殆どであり、戦闘兵力の募集に不足が生じている。これは非常に心配なことである。短期的もしくは短中期的な戦力欠如の問題を、政府は志願兵の問題を検討する際に、非常に注意して考えるべきだ、と述べた。

この他、メディアが民進党の提案した「改良式志願兵制度」には具体的内容ややり方があるのか、と尋ねたのに対し、蔡英文主席は、「改良式志願兵制度」の具体的内容は、現在政策幕僚単位で研究している最中であり、主要な論点はその研究の中にあるが、現在の志願兵制度が実際困難であるのは、給与の問題ではなく、若者が軍隊に入るかどうか、の考えが将来の人生設計の問題であるからだ。よって、軍に応募してくる若者たちに、職業能力訓練を施すだけでなく、更に専門的な訓練を提供することが必要だと考えている。将来入隊した若者や、専門知識を持っている若者らが、専門的な訓練において他の者たちと差が生じないよう、また、退役後再就職する際に彼らの専門性を一生活かしていけるかどうか、ということが重要である、との考えを示した。

蔡英文主席は、もしこうした再就職のための対策と専門的な訓練がしっかり整えば、若者は軍の生活や経験を人生の一部と考えることが出来るであろうし、優秀な若者が入隊してくると同時に、将来彼らが発展していくことも難しくないことだ、と述べた。

メディアが、26日の中央常務委員会で話題になった戦略的な台湾元安というやり方について、物価が上がり続けるのに所得があがらず、過去一週間また株が値下がりしたことについて、蔡主席の見方を尋ねた。蔡英文主席は、昨日の中央常務委員会では目下の経済問題、そして将来の経済情勢について、三つの対策を提案した。第一:短期的な安定の維持を希望する。人々に信じてもらうこと。特に金融の安定は非常に重要である。第二:我々は台湾が経済体質の転換を加速させ、台湾の各基礎建設、法令と人材の育成により、台湾経済の体質の競争力を維持しつづけていくことを希望している。第三:最も重要なことは、経済産業がシフトする過程で、台湾の産業が非常に早く次のステップに進んでいくということだ。

政府が目下対応している多くの計画について、我々も3つの提案を行っている。その中で為替レートの問題。もし各国が一斉に貨幣価格を下落させたら、台湾産業には重大な損害が生じ、その貨幣価格を下げる事を免れられない。しかし、貨幣の問題に対応する際に、我々は政府に物価と長期経済の安定的な影響ということを考えることを要求する。これは中央銀行や政府が貨幣と為替レートに対応する際注意しなければいけない問題である。その他、我々は特に政府が財政拡張政策を取るときには、台湾財政の問題に考慮し、過去のようなことを繰り返してはならず、財政の支出には確実な経済的な利益があることを確保しなければならない、ということを要求する。

国民党主席の連戦が中国に招かれ9月3日の軍事パレードに参加したことについて、蔡英文主席は、9月3日の軍事パレードの参加の意味は、もし抗戦と言う歴史の説明と関連しているのであれば、馬政府、特に国民党と中国は九三軍事パレードが表す歴史解釈の立場は異なっており、国民党は自分たち内部で話しあわなければいけないことだ。アジア地域の平和、安全、安定は全てのアジアの国々の共通の目標であり、中国は軍事パレードなどを考えずに、アジアの人々と各国が、この地域の安全、平和、安定を維持したいと願っていることを注視しなければいけないだろう、と述べた。

最新の世論調査で、蔡英文氏の支持率が先月よりも3%高くなったことについて、選挙の情勢が安定しすぎていること、中南部の選挙情勢が盛り上がっていないこと等が心配ではないか、と尋ねられたのに対し、蔡英文は、どのような選挙情勢も絶対安定と言うことはなく、現段階ではリードしているが、来年の1月16日まではまだ長い時間があり、不確定要素も多い。やはり慎重にいくことである。最近、選挙総本部の主任委員でもある高雄の陳菊市長が、選挙に全力投球しようと言ったように、慎重に進め、 絶対に気を抜いてはいけないのである、と述べた。